
はじめに:認知症とは?
認知症とは、脳の働きが低下し、記憶や判断力に障害が出る病気のことをいいます。加齢に伴い誰でも物忘れをすることはありますが、認知症は単なる物忘れとは異なり、日常生活に大きな影響を及ぼします。
認知症にはいくつかの種類がありますが、主に4つの代表的なタイプに分類されます。
①アルツハイマー型認知症
認知症の中で最も多いタイプで、脳内に異常なたんぱく質(アミロイドβ)が蓄積し、神経細胞が壊れることで発症します。初期症状としては「物忘れ」が目立ちますが、進行すると時間や場所の感覚が分からなくなり、生活に支障をきたします。
②脳血管性認知症
脳卒中(脳梗塞や脳出血)が原因で発症する認知症です。脳の血流が低下することで神経細胞がダメージを受け、記憶障害だけでなく、感情のコントロールの難しさや注意力の低下などが特徴として現れます。
③レビー小体型認知症
神経細胞内にレビー小体と呼ばれる異常なたんぱく質の塊(α-シヌクレイン)が蓄積することで発症します。特徴的な症状として、幻視(実際にはないものが見える)、注意力の変動、手足の震えや筋肉のこわばり(パーキンソン症状)などが見られます。
④前頭側頭型認知症
脳の前頭葉や側頭葉の萎縮が原因で発症し、感情のコントロールが難しくなったり、社会のルールを守れなくなったりすることが特徴です。初期には記憶障害が目立たないことも多く、人格の変化が先に現れるケースが多いです。
脳血管性認知症と脳卒中の関係

この中で、脳血管性認知症は脳卒中と深い関係があります。
脳卒中は、脳の血管が詰まる(脳梗塞)か、破れる(脳出血)ことによって発症する病気です。この影響で脳の神経細胞がダメージを受け、認知機能が低下することで脳血管性認知症につながることがあります。
脳血管性認知症の特徴
記憶障害だけでなく、感情のコントロールや注意力に影響が出る
階段状に症状が悪化する(脳卒中を繰り返すたびに認知機能が低下する)
歩行障害や手足の麻痺などの身体症状を伴うことが多い
アルツハイマー型認知症のように徐々に進行するのではなく、脳卒中のたびに症状が悪化するケースが多いため、脳卒中を予防することが脳血管性認知症の予防につながるのです。
脳血管性認知症を防ぐためにできること
脳血管性認知症の最大の原因は脳卒中なので、脳卒中を予防することが最も効果的な対策となります。
①生活習慣の改善
塩分を控え、高血圧を防ぐ
適度な運動を行い、血流を良くする
禁煙・節酒を心がける
糖尿病や高血圧を管理し、定期的に血圧を測る
②早めのリハビリを行う
脳卒中を発症した後、できるだけ早くリハビリを開始することが重要です。リハビリを行うことで脳の回復を促し、認知機能の低下を防ぐことができます。
特に、運動だけでなく、脳を使う活動も重要です。例えば、
会話の機会を増やす
料理をする
ゲームやパズルをする
こうした活動を取り入れることで、脳への刺激を増やし、認知症の進行を抑えることができます。

自費リハビリの活用
脳血管性認知症を防ぐためには、脳卒中後のリハビリをしっかり行うことがカギになります。しかし、保険で受けられるリハビリには時間の制限があり、週に2~3時間程度しかリハビリを受けられないのが現状です。
そこで、より効果的なリハビリを希望する方におすすめなのが「自費リハビリ」です。
自費リハビリのメリット
時間の制限がなく、じっくりリハビリができる
認知機能を維持・向上させるプログラムが受けられる
経験豊富な理学療法士が個別に対応
運動リハビリ+脳のトレーニングを組み合わせられる
例えば、認知機能を高めるトレーニングや脳の血流を改善するための運動など、個々の状態に応じたリハビリを実施できるため、効果的な回復を期待できます。
また、社会とのつながりを持つことも認知症予防には重要です。
自費リハビリでは、リハビリを通じたコミュニケーションの機会が増えるため、孤立を防ぎながら認知機能を維持する効果も期待できます。
まとめ:認知症と脳卒中を防ぐために
脳血管性認知症は脳卒中によって引き起こされる認知症です。つまり、脳卒中を予防することが、脳血管性認知症の予防にもつながるのです。
生活習慣を整え、血圧や糖尿病を管理する
脳卒中を発症したら、できるだけ早くリハビリを始める
運動だけでなく、脳を使う活動を増やす
保険リハビリでは不十分な場合は、自費リハビリを活用する
脳卒中や認知症は適切な予防とリハビリを行うことで、できる限り健康な生活を続けることが可能です。
もしリハビリに関するご相談がありましたら、お気軽にお問い合わせください。
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